PERIO

歯周病治療

歯周病とは

Perio
歯周病とは

歯周病は、歯の周りの歯肉や歯を支える歯槽骨とよばれる骨が炎症によって破壊されていく病気です。歯の表面や歯周ポケットの中に歯垢や歯石が溜まると、歯肉や歯槽骨が歯周病菌に感染し、炎症が起こります。最初は歯肉だけの炎症ですが、症状が進行すると歯槽骨に炎症が起こって破壊され、歯がグラつくようになります。この状態を放置すると、歯槽骨が歯を支えられず歯が脱落してしまうのです。

厚生労働省が行なった「歯科疾患実態調査」によると、おもに歯周病が原因で60歳を過ぎたころから急激に歯が失われていくことがわかっています。年齢を重ねても自分の歯で食事を楽しむためには、歯周病を早期に治療して再発しないよう予防していくことが大切です。

クリスタル歯科では、歯周病によって失われた歯の周囲の組織を再生する治療(歯周組織再生療法)にも対応しております。重度の歯周病でお悩みの方もご相談ください。

歯周病が全身に及ぼす影響

歯周病菌や歯周病菌が出す炎症性サイトカインや炎症伝達物質などの毒性物質が歯肉の血管から全身に入り込むと、血管の動脈硬化や糖尿病を引き起こしたり悪化させたりすることがわかっています。妊娠している場合は、早産や低体重児出産の原因にもなります。お口の病気だけでなく全身の病気のリスクを下げるためにも、定期的に歯科医院で検診を受けて歯周病の早期発見・早期治療に努めましょう。

当院の歯周病治療の特長

重度の歯周病に歯周組織再生療法を実施

重度の歯周病に
歯周組織再生療法を実施

歯を支える歯槽骨が著しく失われているような重度の歯周病の方には、歯周組織再生療法を実施することが可能です。クリスタル歯科では、歯周組織再生剤(エムドゲイン・リグロス)とMIST・M-MIST・NIPSA・M-VISTA・EPPTなどの施術を用いて症状に合わせてより的確な歯周組織再生療法をご提供します。また、当院ではオペ専用ルームを備えているため、外科的な処置も衛生的な環境でより安全に行なうことができます。

多様な経験をもつ歯科衛生士によるメンテナンス

多様な経験をもつ
歯科衛生士による
メンテナンス

歯周病の治療や予防では、歯の周囲だけでなく、歯周ポケットの深くにまで入り込んでいる歯石を徹底的に取り除くことが重要です。当院では、国内の著名な歯周病セミナーにて歯周病治療の専門的な知識と技術を身につけ、これまでさまざまな症例の治療やメンテナンスを経験してきた歯科衛生士が処置を行ないます。治療はもちろん治療後のメンテナンスも安心してお任せください。

歯周病の検査方法

プロービング検査

プロービング検査

歯周病が進行すればするほど歯と歯肉の間にできる歯周ポケットが深くなるため、プローブとよばれる針のような器具を使って歯周ポケットの深さを測定して進行度を調べます。

歯の動揺度検査

歯の動揺度検査

歯周病がかなり進行すると歯を支える歯槽骨が破壊され、歯がグラグラと揺れるようになります。歯を器具で掴んで揺らし、どの方向にどのくらい動くかをチェックして進行度を調べます。

レントゲン検査

レントゲン検査

歯肉の下の骨の状態は直接確認できないため、必ずレントゲン撮影をして歯槽骨の状態を確認します。歯槽骨が破壊されていると、レントゲン写真ではその部分が黒く写ります。

CT検査

CT検査

歯科用CTでお口を撮影した画像からは、歯槽骨の破壊がどのくらい進行しているのかを3次元的に捉えることが可能です。レントゲンだけでは判断しにくい病態も詳しく把握できます。

歯周病の治療方法

ブラッシング指導

ブラッシング指導

歯周病の症状を改善するためには毎日の歯磨きの質を高めることが重要です。今の歯磨きで磨けていないところをチェックしたうえで、歯垢をきちんと取り除くための効果的な磨き方をお伝えします。

スケーリング・ルートプレーニング

スケーリング・ルートプレーニング

スケーラーとよばれる器具を用いて歯の表面や歯周ポケットの中に付着した歯垢や歯石を取り除く治療です。歯肉の炎症が改善するだけでなく、歯根の表面に歯垢が再び付着しにくくなります。

禁煙指導

禁煙指導

喫煙するとタバコの有害物質が歯肉の血行を阻害し、歯周病菌が活動しやすい環境になってしまいます。喫煙習慣のある方には喫煙のリスクをご説明し、無理なく禁煙できるようサポートします。

歯周組織再生療法

Periodontal regenerative therapy
歯周組織再生療法

歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた歯槽骨、セメント質、歯根膜などの歯周組織の再生を促す治療法です。重度の歯周病で歯がグラつくような場合でも、歯周組織再生療法を行なうことで抜歯を回避できる可能性が高まります。

この治療では、歯肉を切開して剥離し、歯根の表面に付着した歯垢や歯石、炎症性の組織を取り除いた後、歯周組織の再生を促す効果をもつ薬剤を歯と歯肉の間に詰めて歯周組織の再生を促します。歯周組織再生療法の施術法にはいくつか種類があり、失われた歯槽骨の形態に適した方法を選択してより良い治療結果へと導きます。

抜歯になるかもしれないとあきらめていた歯も、歯周組織再生療法で維持できる場合もありますので、あきらめずに一度ご相談ください。

歯周組織再生療法に用いる再生剤

ブタ歯胚使用歯周組織再生剤(エムドゲイン)

ブタ歯胚使用歯周組織再生剤
(エムドゲイン)

ブタの歯胚より抽出・精製されたエナメルマトリックスタンパク質を主成分とする再生剤です。エナメルマトリックスタンパク質は、歯の発生において重要な役割を果たすタンパク質で、歯周歯周組織の再生を促す効果が期待できます。この再生剤を歯周組織が失われた部分に充填し、歯周組織の再生を促します。

トラフェルミン主成分歯周組織再生剤(リグロス)

トラフェルミン主成分
歯周組織再生剤
(リグロス)

エムドゲインと同様に患部に充填することで歯周組織の再生を促す薬剤です。トラフェルミン(bFGF)という細胞を活性化する成長因子が含まれており、この成長因子が血管をつくって細胞に栄養を送ることで歯周組織の再生を促します。保険が適用されますが、歯の周り歯肉や骨が全方向で破壊されている場合や、骨の破壊の範囲が広い場合には適していません。

歯周組織再生療法の施術法

Medical treatment
  • MIST

    MISTは、マイクロスコープなどの拡大視野下で専用の器具を使用することで最小限の切開で大きな効果を期待できる施術です。傷口が小さいため痛みや腫れが少なく、術後の治癒もスムーズで体への負担を抑えられます。また歯肉の退縮も起こりにくく、歯肉の形態を美しい状態で維持することが可能です。

  • M-MIST

    M-MISTは、MISTの改良版となる施術です。MISTと同じように歯肉を切開しますが、歯間乳頭(歯と歯の間の歯肉)は剝離せず、頬側の歯肉のみを剥離して歯根の表面に付着した歯垢や歯石、炎症性の組織を取り除きます。体への負担をより抑えながら歯周組織が再生するための充分なスペースを確保できる方法です。

  • NIPSA

    NIPSAは、前歯部分など歯間乳頭の形態の美しさにも配慮したい場合に適した施術です。手順としては歯根の先端部分の歯肉を頬側から水平に切開し、歯肉を骨膜ごと剥離して歯槽骨が欠損しているところにアプローチします。この施術によって歯周組織が再生するためのスペースを確保しつつ、歯槽骨上部の歯肉の形態を維持できます。

  • M-VISTA

    M-VISTAは、骨だけでなく歯肉の改善も期待できる施術です。M-VISTAでは歯肉の頬側を縦に切開し、そこから歯槽骨が欠損しているところにアプローチします。垂直方向の歯槽骨が欠損しているケースだけでなく、水平方向に欠損している場合にも有効で、歯肉の薄い部位にも対応できます。体への負担も少ない方法です。

  • EPPT

    EPPTは、歯周組織再生療法時に歯間乳頭を残すために行なう施術です。具体的には歯槽骨が欠損している部分の歯間乳頭部は切開せず、少し離れたところを縦方向に斜めに切開し、扇状に歯肉を剥離して歯槽骨が欠損しているところにアプローチします。歯槽骨が深く幅広く欠損しているケースにも対応が可能です。

歯周病治療の流れ

  1. STEP 01

    カウンセリング、精密検査

    患者さまのお口のお悩みを伺った後、お口を診察して精密検査を実施します。歯周ポケットの深さや歯の動揺度を調べるほか、レントゲンやCT撮影を行なって歯槽骨の状態を確認します。

    カウンセリング、精密検査
  2. STEP 02

    治療計画の立案

    検査結果をもとに進行度を診断し、お口の状況に適した治療計画を立てます。治療計画については患者さまに現在のお口の状況と合わせて詳しくご説明し、充分にご納得いただいたら治療を開始します。

    治療計画の立案
  3. STEP 03

    初期治療

    初期治療ではスケーリング・ルートプレーニングを実施し、歯周病の原因となる歯垢や歯石を徹底的に除去します。また、患者さまがご自身で毎日きちんと歯垢を取り除けるようブラッシング指導も行ないます。

    初期治療
  4. STEP 04

    再評価

    歯周病の検査を実施し、治療によってどのくらい症状が改善したかを確認します。検査内容は最初の精密検査と同じです。歯周組織が健康な状態になり、清掃状態にも問題なければメンテナンスに移ります。

    再評価
  5. STEP 05

    歯周外科処置

    清掃状態が良いにもかかわらず症状が改善しない場合には、歯周外科処置を行ないます。これは歯肉を切開して歯周ポケットの奥に溜まった歯石や汚染物質を除去する治療です。症例によっては歯周組織再生治療も実施します。

    歯周外科処置
  6. STEP 06

    メンテナンス

    再び歯周病の検査をして歯周組織が健康な状態になったと確認できたら治療は完了です。しかし歯周病は再発しやすいので、定期的にメンテナンスを受けていただいて再発しないように管理していきます。

    メンテナンス

歯周病治療に関する
質問コーナー

Q&A

歯周病治療/歯周組織再生治療/外科的歯周治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • 内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
  • 歯周病の進行状況によりますが、歯垢や歯石の除去時に痛みを感じることがあります。
  • 治療に対して患者さまが協力的でない場合は、改善に時間がかかり、治療期間・回数が増えることがあります。
  • 歯周病の基本治療で改善しないときには、外科的歯周治療や歯周組織再生療法が必要になることがあります。その場合、歯肉を切開するため腫れや痛みをともなうことがあります。
  • 治療後歯肉が下がることがあります。
  • 治療によって歯肉が引き締まってくるため、被せ物と歯肉の段差とが目立つことがあります。

エムドゲインゲルを用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • 薬機法(医薬品医療機器等法)において承認された医薬品です。中等度または重度の歯周炎の歯周外科手術の際に、露出された歯根面上に補助的に局所適用します。
  • 自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • 歯や骨の状態や位置によっては、手術できないことがあります。
  • 外科手術が必要なため、腫れや痛みをともなうことがあります。
  • 外科手術が必要なため出血、神経麻痺、血管損傷、術後の腫れやあざを発症する可能性があります。
  • 歯肉が引き締まってくるため、被せ物と歯肉との段差が目立つことがあります。
  • 糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などが進んでいる方、がんによる放射線治療を受けている方、ステロイド剤を使った治療を受けている方、妊婦や授乳中の方などの安全性は確立していません。
  • 喫煙される方の場合、血行が悪くなるため、治癒の遅れや治療効果の低下を招くことがあります。
  • 糖尿病の方や喫煙される方でエムドゲインによる治療をご希望の方は、歯科医師とご相談いただき、状況によっては治療できない場合があります。

リグロスを用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • 薬機法(医薬品医療機器等法)において承認された医薬品です。歯周ポケットの深さが4mm以上、骨欠損の深さが3mm以上の垂直性骨欠損のある場合に使用します。
  • 基本的に保険診療ですが、自費(保険適用外)の治療法と併用すると保険診療ではなくなるため、高額になります。
  • すべての部位に適用できるわけではありません。
  • 歯周組織が再生するまで半年から1年ほどかかります。
  • インプラント埋入治療に関する有効性および安全性は確立していません。
  • 再生作用が強く、正常な細胞と同時にがん細胞も活性化させることがあるため、がんの方への使用は適しません。

デジタルレントゲン装置を用いた検査にともなう一般的なリスク・副作用

  • 治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • 診査中はできるだけ顎を動かさないようにする必要があります。
  • 人体に影響しない程度(アナログレントゲン撮影装置の1/10以下)のごくわずかな被ばくがあります。
  • ペースメーカーを使われている方、体内に取り外せない金属類がある方、妊娠中または妊娠の可能性のある方は検査を受けられないことがあります。

歯科用CTを用いた検査にともなう一般的なリスク・副作用

  • コンピューターを駆使してデータ処理と画像の再構成を行ない、断層写真を得る機器となります。
  • 治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
  • 検査中はできるだけ顎を動かさないようにする必要があります。
  • 人体に影響しない程度(デジタルレントゲン撮影装置の1/10以下)の、ごくわずかな被ばくがあります。
  • ペースメーカーを使われている方、体内に取り外せない金属類がある方、妊娠中または妊娠の可能性のある方は検査を受けられないことがあります。

スケーリング/ルートプレーニングにともなう一般的なリスク・副作用

  • 基本的には保険での診療となりますが、治療内容によっては自費(保険適用外)となることもあり、保険診療よりも高額になります。
  • ルートプレーニングは、歯肉の中に器具を入れるため通常の歯石除去よりも痛みを感じることがあります。
  • 歯のすき間に付着していた歯石が除去されることで、歯のすき間が目立つことがあります。
  • 処置後、歯肉から出血することがありますが、時間の経過とともに治癒します。
  • 処置後1~2日、何もしなくても痛みが出ることがあります。また噛んだときや歯を磨くときも痛みが出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
  • 処置後、しばらく知覚過敏の症状が出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
  • 処置後、歯肉の退縮を引き起こすことがあります。